朝をテーマとした書き出し2

朝の日差しを受けて、少しだけ眩しく映るススキの穂が、
ゆらゆらと揺れているのが、窓越しに見えた。


列車は、周りの背景を過去へと追いやるように、
前に前に進み、そうして、
本当に背景を視界から追いやってしまった。


私は、そのススキの穂の向こう側に見える、
蔦の絡まった金網の柵に意識を向けたり、
次々と移り変わる風景を寂しく思っていたのだった。