根室。

今、唐突に浮かんだ言葉です。
今週は結構寒かったので、そんな連想をしたのかもしれません。


こういうのが何かのきっかけだったら面白いんですけどね。


例えば・・・


ーーーーー
邪魔だと言われんばかりに、掃除機の先で突かれた僕は、いつものピースを胸ポケットに入れ、わずかばかりの小遣いから二千円を財布に入れて、外に出たのだった。


目的もないのに外に出るとは、
きっと何か悪い目に遭うに違いない。


とはいえ、悲観的なことを考えると運が逃げていくわよ、とヨシコからキツく言われていた僕は、そこで考えるのをやめたのだ。


あの時だけは、随分と目が真剣だったので
素直に従うことにした。


まぁ、喫茶店にでも入るかと周りを見渡すと、
電柱に未慣れない貼り紙を見つけた。
・・・迷い犬なら、よく貼っているんだが。


「急募:ウェイトレス。
お刺身にタンポポを載っけるカンタンなお仕事です。時給1575円〜相談応。経験者優遇。特に、玉川スピードワゴン八ヶ岳ダイナミックの技術者は初段でも助かります。


喫茶カフェ根室 担当:鬼干潟(おにひがた) 電話:XXX-XXX-XXXX」


・・・まったく、意味がわからない。
いや、そのままの意味なのか、何かの符丁なのかということだ。


特に、八ヶ岳ダイナミックって何だ?
タンポポ乗っけるのに初段とかあるのか?
これはあれか、何かの罠か?


と一人ツッコミをしながら、
足は件の喫茶カフェ根室に向かっていた。
三丁目の長峰さん家の裏だから、五分とかかるまい。


そうして、ちょうど一日一本と決めていたピースの
二本目を吸い終わった頃にそこに到着した。


なんというか、
コンクリの打ちっ放しに
金属製のドアがついている建物が
ポッカリと建っていたのだ。


そして、ドアの横には黒マジックで、
「きっちかふぇ ねむ3」と書いてあった。


僕は帰ろうかと思ったが、
好奇心が勝りドアを叩いた。


奥から「お待ちください」という声が聞こえて、
一分程待っていると、
ついにドアが開いた。


そして、今では、僕もすっかり一人前のダンデライオニストだ。
今は新技の小春日和ライトニング・二式の練習に余念がない。
なんか、ロシアの実業団からの誘致とかで、タンカーには乗船させられてはいるが、
コーチは、このままいけば君もすぐ八ヶ岳ダイナミックに挑戦できる、と言っているのだ。
僕の将来は約束されたと言っていいだろう。
ほら、悲観的なことを考えると運が逃げていくわよ
と・・・誰が言ってたのだっけ?


あれ、おかしいな。誰だっけ?



−−−−−