自分探し

自分なんて、何処かにあるわけじゃない。
旅をしたからって見つかるものじゃない。
そこにある。そこにあるんだ。


近所のヴィレッジ・ヴァンガードに行った。
目的は、本。
自分の人生の次の一歩を踏み出すために、僕は本屋へ行った。
いきつけの本屋に。
メッコールを買ったり(僕は無宗教だ。)、
カエルさんティッシュボックスを買ったり(会社で活躍している。)、
漫画本を買いにいったりする、とてもマーケティングが上手な本屋に。

探している本が、随分書棚の上のほうにあったので、
赤い梯子に掴まって、目的の本を取り出した。

 ・カナダdeワーキングホリデー
 ・イギリスdeワーキングホリデー
 ・オーストラリアdeワーキングホリデー
 ・成功する留学アメリ
 ・成功する留学オーストラリア
 ・成功する留学イギリス
 ・あの国でこれをやりたい!!
 ・海外旅行安全対策マニュアル

計8冊を。
明らかに過剰と思われる冊数と、お前は何処に行きたいんだ?というクエスチョン感いっぱいな、
やばそうなセレクトだと我ながら思う。

でも、しょうがない。
僕は何も知らないんだから。
この先どうしようとか、
何がしたいとか、
考えてなかったんだから。

あっという間に28歳を通りすぎて、30歳を目前にした僕。
その現実こそがリアル。
「28歳からのリアル」そんな本が今はまぶしい。
家をどうしよう。
結婚をどうしよう。
仕事どうしよう。
僕にとっては、たくさんのリアル。


とりあえず、考えてみようと思った。
遅いと思ったら、遅い。気持ちで負ける。
僕が自分でいられるために、
なりたい自分でいられるように、
そうして、人を愛することを覚えるために。


道のりは遠く、険しいけれど、
もう切符を買う時間はまもなく来てしまう。
掛け金をつり上げてしまったのは僕自身なのだから、
責任はとらないといけない。
僕が僕であること。
それだけは譲れない。