とあるOLの日常の切れっぱしモドキ

今年は文章を頑張ります。

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「目にゴミが入ったみたい。」


私はそう言って、尚人に悪戯を仕掛けるのだ。
不意打ちのキスをした後の照れた表情がたまらなく魅力的だと思う。


「お前なぁ・・・。」
「お前じゃないでしょ、紗枝って呼んでって言ってるでしょー。」
周りを伺いながら尚人が悪態をついた。
どうやら、バカップルのように見られるのを嫌っているらしい。
でも、残念ながら世の中はバカップルかそれ以外かで出来ているのだ。
ふふん。・・・あ、つい地が。


「お前はお前だろ?」
「紗ー枝ー。」
ワザと甘えたような口調で言ってやる。
名前で呼んでくれないのは今日に始まったことじゃないけれど、
こんなじゃれあうことですら優越感に感じてしまうから不思議だ。


「紗・・・呼べるかよ、今更。恥ずかしい・・・。」


あ、今言いかけた。もうちょっとかな・・・なんて考えながら今日の悪戯を終了した。


「じゃ、ご飯食べに行こう。」
と、尚人の手を引っ張った。


気分を変える時はご飯に限るって誰かが言ってたし。
あ、あれは怒りっぽくなるからだっけ。まぁ、どっちでもいいや。
お腹すいちゃったし。




カタカタカタ
「すいちゃ・・・った・・・し・・・っと、まーる。」
そう、今書いていたのは、私の日記でした。
騙されたでしょ?え?誰に言ってるのかって?
私もわかんないや。


尚人は、明日も仕事があるからって帰って行って、
私は寝る迄の時間をこうして日記に使っているのだった。


髪の水分を存分にバスタオルに吸わせてからじゃないと
ドライヤーもかけれたものじゃないってね。


私は中途半端に履いたスリッパの踵で冷蔵庫を開けると、
梅酒と炭酸水を取り出した。


そう、梅酒ソーダよりもこっちのほうが濃くて好きなんだよね。
これ飲んだら、髪乾かして寝ようっと。


私も明日は早いし。
・・・って最近、尚人が冷たいような気がするんだよね。
気のせいかな・・・。


あー、考えるのメンドクサイ。
考えないことにしておこう。
それがいいね、きっと。