i was used to write something before...

すうぇーでんのそら。

お気に入りの白いコートだって言ってたのに
遅れちゃうからって雪解けの道を走って、転んで、
マーブルチョコレートみたいになった白いコートに


君は笑顔で言ったんだ


遅れてゴメンネ




でも、そんな君はもういない
いないんだ


いつも薄着だねって怒られて、
お前に暖めてもらうからいいよ、
って俺そんなこと言ったかな




現実から逃げ出すように俺は旅に出たのに、
どうして言葉も通じない俺に、みんなそんな優しいんだ


知らない俺を家に泊めてくれたり、
ご飯を食べさせてくれたり、


なんで、優しくするんだ






彼女の実家に行った時もそうだ。


電車の中で隣に座ってたおばさんがみかんくれたり、
道ですれ違った人も、こんにちは、って微笑んでたり、


彼女の両親まで、どうしてこんな俺に笑顔で話しかけてくんだ、


彼女はいない、
もういないんだぞ。


でも、
そうして俺は気づいたんだ、
俺の頬をつたっていたのは、涙だってことに。


なんで雨でもないのにおかしいなって、
気にもしてなかったけど。



帰り道、夕日で真っ赤になった景色を見ながら、
また思い出したんだ。


いつかこっちに一緒に住もうね、ってアイツが言ってたな、って。
ここは、何もないけど、平和で、田んぼがあって、
水が美味しくって、みんな優しいよって。


ああ、そうさ、みんな優しいよ。
なんでか知らないけど、優しいんだ。


きっと、お前のおかげだな。
まだ、そこにいるんだろ、ほら。



そうして俺は気づいたんだ。
彼女は世界にとけていって、
俺は、その世界の中にいて、
いろんな人の優しさや笑顔や、
夕日の美しい景色とか、
色々なところで、
彼女の一部に出会うんだ。


まだ、彼女はいる。
俺の心の中にも、
この世界にも、
彼女は存在しているんだ。