語学学校と英語学習について思うこと。 2/2


語学学校と英語学習について思うこと。 1/2の続きです。


※主観です。

不快になった方は読むのをストップしてくださいませ。


2.英語学習


前回から、4ヶ月が経過し、色々と考えてみたが、
自分独自の手法というものは存在していないことに気付いた。
しかしながら、こういう教材を頼った、ということは説明出来るので、
それらを交えながら個人的なコメントを付け加えていこうと思う。


かなり地道な作業なので、向かない人もいるかもしれないが、
他の方法であっても、結局やってる中身はさほど変わらない筈だ。


2−0.英語はスポーツと同様であること。


運動神経のいい奴。特定の種目だけ得意な奴。何をやっても駄目な奴。
運動能力に個人差があるように、英語学習も個人差がある。


よって、スポーツの練習方法には、平均的なトレーニング手法が取り入れられている。
まずは英語における、それを紹介しよう。


英語上達完全マップ

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法


要約すると、


・基礎的な文から少しずつレベルを上げて、理解出来た文章を頭の中に記憶していく
・記憶した文の活用方法を広げていく。


ということだ。


おそらく、当たり前の事を言っているようにしか思われないので、もう少し詳しく説明してみよう。
ここに、『I am a student.』という文がある。
訳は勿論、『私は学生です。』という意味になるが、これをどの程度理解・説明出来るかによって、
本人のレベルが測れると考える。


自分の場合だと、


I:私(現在も過去も未来もなく文章の主語となる部分)
am:は、です。(be動詞で、かつ現在形。つまりは過去でも、未来でもなく、今現在の主語の状態を表す。)
a:一人の(次の単語が可算名詞であり、かつ主語のIは一人だけなので必要。)
student:学生(可算名詞であり、)


という感じだ。


言い換えると、『I am a student』という文は、この場合、


・単語(I,am,a,student、それぞれの意味)
・文法(be動詞、時制:現在)
・視覚(次に見たときに何が書いてあるかわかる。)
・音声(相手に伝えられる。)
・聴覚(聞き取れる。)


と複数の情報で構成されている。またそれぞれは複数のパターンに派生する。


単語に関しては、文章=意味とするため単一になるが、(解釈が分かれる場合を除いて)
文法で言うと、過去や未来の時制がある。
視覚は雑誌や手書きによっても異なるし、
音声は自分の発音や相手の発音がある。
聴覚に関しても、国、性別、年齢などによって異なってくる。


頭の中に一つ引き出しがあって、複数の情報が中にしまわれている感じだ。


この「文章=意味」を頭の中にどんどん溜めていくことが、
手っ取り早い英語力獲得の近道だと思う。


理屈っぽいかもしれないが、
コンピュータはマルチメディア的な記憶方式を採用しているので、
実際の人間も同じ方式が通用するだろうと推測する。


参考:忘却曲線


では、段階別に手順を書いていこう。


2−1.スピーキング編

◆英語に慣れる。(すっとばしてもよい。)

英会話・ぜったい・音読 【続・入門編】 (CDブック)

英会話・ぜったい・音読 【続・入門編】 (CDブック)

中学英語はよく出来ている。かなり効率良く英語の基礎を身につけることが出来る。
ということでこれ。入門編以外にも標準編と挑戦編があるが、まずは一冊やってみる。


◇狙い
流石に、簡単な英単語を知らないと学習できない。
なので、内容が洗練されている中学生教科書を使って、本当の基礎部分を身に付ける。
飽きが来るので、だいたいわかったな、くらいで次に進んで、何度か繰り返すのが吉。
音読と手書きの回数も自分でアレンジしてしまってよい。


◆頻度の高い定型文を覚える。

・オススメの1冊

CDBたったの72パターンでこんなに話せる英会話 (アスカカルチャー)

CDBたったの72パターンでこんなに話せる英会話 (アスカカルチャー)

易しそうな内容をキッカケにして、内容のわかる文章を声に出す、聞いてみる、
という訓練を習慣化する。


◇狙い
頻度が高いものばかりなので、この定型文を通じて、
一生使っていく文章を効率的に覚えることが出来る。
ここでは、「探している」は「be looking for 〜」だな、と定型文を思い出せる状態を目指す。

・他

中学英語で言いたいことが24時間話せるパート1

中学英語で言いたいことが24時間話せるパート1

中学英語で言いたいことが24時間話せるパート2 CD付

中学英語で言いたいことが24時間話せるパート2 CD付


◆本格的に定型文を覚える。

・オススメの2冊

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

それぞれ、定型文に対して例文が複数あるので、刷り込みが促進される内容となっている。

◇狙い
訓練用の2冊。「知っている」と「出来る」は違う。日本語を見て、英文を言う。
その単純作業を繰り返して、頭の中に例文辞書を作るのが、狙い。


◆文法&単語に挑戦する。

・オススメの2冊

総合英語Forest, 5th edition

総合英語Forest, 5th edition

DUO 3.0

DUO 3.0

文法書と単語帳。この時点である程度の知識は身についているので、復習とワンランク上の単語力を身に付ける。


◇狙い
身に着けた定型文に対する理解を深め、知識を整理する機会となる。
また、定型文と文法知識で大抵の事が表現出来ることに気付き、
より英語に対する関心や興味を引き出すことが出来る。


2−2.リスニング編


まず、発音の話から。
英語をどうやって発音しているんだろう?
突き詰めてしまえば、通じればいいので口の形は関係ない、という人もいますが、
基本形は抑えておくに越した事はないのでこの1冊を薦めます。

英語耳 発音ができるとリスニングができる(CD付き)

英語耳 発音ができるとリスニングができる(CD付き)

自分は何よりも最初にこの本を使ったのですが、
人によっては途中でやったほうが成果があるかもしれません。
何故かというと、これはこれで時間を使うからです。
思うに、1日5分とか決めて、平行してやるほうが良いでしょう。継続は力なりです。


次に、リスニングの訓練を別途行なう必要性について。
スピーキング編で触れましたが、音声と聴覚情報は、知っているか、知らないか、
それだけで大きく異なります。ただ、下地が無いと、覚えようがないので、
ある程度定型文の記憶が増えてきた時点で、始めるほうが良いでしょう。
自分の場合は、字幕や文章を見て、音を聴いて、刷り込む、という繰り返しをしていました。
また、定型文を覚えていると、次に繋がる単語を推測しやすいということが大きな理由です。


かなり地道ですが、理解->音という順番で覚えないと、知識として身に着きません。
リスニングマラソンなどで聞き流して効果が無いのは、下地が無いのが原因です。
日本語音声 -> 英語音声 と繰り返す教材なら、良いかもしれませんが。


また、スピーキングの訓練をしていると疲れてくると思います。
英語耳にも書いてありますが、映画や音楽を聴いて、英語に触れる時間を増やす、
という気軽な気持ちで接するのが良いと思います。


ちなみに、ハリウッド映画のヒット作は発音がゆっくりなのでオススメです。(Star Warsなど)


参考:
VOA News - Learning American English With News and Feature Programs in VOA Special English


補足:
「英語を英語のまま理解する」というのは、基礎訓練の成果として出来上がるものだと考えます。


2−3.リーディング編


オススメの1冊というものはないのですが、
学習者向けのラダーシリーズを参考に載せておきます。


◇狙い
様々な英文のパターンに触れ、あんなのもある、こんなのもある、と慣れの状態を作り出す。
複数回、同じ表現に出会うことによって、記憶を促進する。
ゆくゆくは文法知識やライティング知識を深めることに繋がる。


2−4.ライティング編


僕の考えている段階では、
スピーキングの訓練を通じて身に着ける以外では
特別なライティングの訓練は必要無いと考えています。


勿論、日々の日記を書いたり、自分の好きなことを書くというような、
気分転換的な要素を含む何かがあったほうが良いでしょう。モチベーション維持の一環です。


そこから先は、下記のような本が助けになると思います。

英語ライティングルールブック―正しく伝えるための文法・語法・句読法

英語ライティングルールブック―正しく伝えるための文法・語法・句読法


◇狙い
スピーキングとライティングはまったく異なる。
そのため、特化した学習が必要だが、
スピーキングの訓練を通じてある程度の知識が身についていると、
理解が早い。また、その逆も言えるが、そこは人の好みである。




長々と書いてしまいましたが、
語学留学や海外経験は魔法ではないんですよ、
という事を伝えたくて書いてみました。


自分も発展途上にあり、まだまだ学習することは多いのですが、
やっただけ成果があるので継続して頑張ろうと思います。
ちなみに自分のレベルはTOEIC590ですので、
あくまで、その程度、と考えてください。


以上です。